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女性それぞれの幸せのために-自分の体と心を後回しにしないで-


(画像左)森田敦子さん

(画像右)舟山久美子


植物の力を生かしたフィトテラピーで、女性のライフスタイルを応援する事業を展開している森田敦子(もりた・あつこ)さん。フランスと日本の知見を兼ね合わせた『植物バイオメソドロジー』の第一人者として、女性誌ELLEの「世界を変える女性100人」にも選ばれました。温かく優しい語り口の裏に秘めた、“女性をもっと幸せにしたい”という信念について、お聞きしました。



大好きな仕事を頑張りすぎてダウン…人生を見つめ直す


―お二人の出会いのきっかけを教えてください。


舟山:10代の頃から全力で仕事をしてきたのですが、27歳の時に無理がたたって体調を崩してしまいました。休みなく働き、自分のことを後回しにしていたら、皮膚病を発症してしまったんです。

 

そんな辛い状況で出会ったのが、森田先生の著書『潤うからだ』でした。女性の体とそのケアについて書かれた本なのですが、読むほどに今まで悩んでいたことが軽くなり、生きやすくなっていくような印象で本当に感動しましたね。それで「森田先生にお会いしたい」と言い続けていたら、なんと森田先生主催のスクールに通っていた友人を通じて2年後にお会いすることができました。

 

森田:私は失礼ながら、タレントのくみっきーのことをよく知らなくて…。でも会っておという情熱と忍耐力を兼ね備えた、素晴らしい女性だと思ったんです。





―お二人は出会ってすぐに意気投合されたんですね。


森田:ちょっと大袈裟なんですが、「女性が輝けるような社会を作りたい」という部分で共鳴しました。二人でそのために頑張っていこうと、その日のうちに誓い合ったほどです。

 

もう一つ彼女に共感したのは、私も彼女と似たような経験をしてきたからかもしれません。私は航空会社で客室乗務員としてキャリアをスタートさせたのですが、過酷な勤務で呼吸器疾患を発症し、8ヶ月もの間入院を余儀なくされました。当時はバブル絶頂期で、海外旅行もブーム。非常に忙しく、昼夜なくフライトをこなしていました。圧倒的に男性が優位な世の中でしたが、客室乗務員という職であれば女性も引け目を感じることなく働けることがうれしくて、必死に働いたんです。

 

だから入院した時はショックで、絶望感に打ちのめされました。薬の副作用で体がむくみ、医師からは将来の妊娠も難しいと告げられました。精神科も受診するようになり、体調は最悪だったのですが、とにかく薬を飲みながら職場に復帰しました。

 

舟山:そんなに辛い状況の中、職場復帰したモチベーションはなんだったんですか。

 

森田:当時は寿退社が常識、25歳で結婚していないと売れ残りと言われるような時代です。そんな中で女性が働き続けるという道を切り開いてくれた先輩たちに、報いたかったのかもしれません。女性だって働けると証明したかったし、仕事にしがみつきたい思いもありました。しかし体調に不安が続き、強い薬を使い続けることにも疑問を感じ、フランスに留学し、植物薬理学=フィトセラピーを学ぶことにしました。現在では、そこで学んだ知見を活かして、健康や美容、ライフスタイルに関わる事業や活動を重ねています。



家庭とキャリアの両立は、女性性を大切に労わることから


―妊娠が難しいと言われたのちに、森田先生はお子さんを出産されていますよね。


森田:子どもを持つことは諦めていたのですが、40代で息子を授かりました。フィトセラピーと性科学は深く結びついていて、女性の体についても学んでいたので、産後すぐに自分の体をケアすることに迷いはありませんでした。だから劇的に変化した自分の体を休めることに専念していましたね。私がやったのは授乳くらい。今日に至るまで100%夫が育児をしたと言っても過言ではありません。





舟山:すごい。先生もパートナーの方も、流石です。

 

森田:ベビーカーを押したのも2回くらいかも(笑)。私は自分の体をケアして、それから勉強・仕事、そして息子を抱きしめる係でした。男性だって育児ができるし、男性の方が向いている部分もあります。フランスでは男性が自然に女性の体を労っています。育児をするのは女性、というのは固定観念です。

 

そもそも自分のケアができていない状態で、パートナーや子どもに向き合おうとしても、余裕がなくてぶつかってしまいがちです。まずは自分が満たされた状態になれば、コップに水が注がれてあふれるように、周りに愛情や気遣いを与えることができます。これは産後だけでなく、更年期などでも同じこと。自分を大切にすることを後回しにしてはいけないと思います。

 

舟山:満ち足りた自分でないと、余裕は生まれませんよね。私も“余白”を大事にしたいと思っているんですよ。





“折り合い”で作るパートナーシップ


―お互いを尊重し対等に助け合える、パートナーとの関係性がうらやましいです。


舟山:私も森田先生のもとで産後のフィトテラピーを学んだおかげなのか、いわゆる産後のガルガル期がなかったんですよ。自分を大切にケアすること、自分の軸をぶらさずパートナーに伝えること、それが家族みんなの安定にもつながることを体感できました。

 

パートナーに良く思われたいとか、世間から良い母として認められたいとか、周りに合わせてしまうことは多いように感じますが、そればかりだと健全なパートナーシップが育たないように感じます。自分を大切にすることや、自分の考えを伝えることは、自己中心的なわがままとは違うよね、と。パートナーとの折り合いが大切だなと思うんです。

 

森田:まさに、私もその通りだと思いますよ。売り言葉に買い言葉になってしまうと、話をすることさえ不可能だから、パートナーに対してはあくまでも冷静に、しかも語尾を優しく。くみちゃんは、その辺りがすごく上手だなと思います。特に産後や更年期のホルモンバランスが崩れている時には、「なんで私ばっかり」という思考に陥りがち。だからこそケセラセラのマインドで、優しくね。

 

意見が違うことは当たり前だからこそ、パートナーと自分が納得いく所まで折り合っていくのが何よりも大切だと思います。





―いつもパートナーと冷静に向き合うのは難しいですよね。感情的になってしまうことはないですか

 

森田:基本的には冷静に優しい言葉で向き合った方が良いけれど、たまには感情を乗せてみるのも大切なんですよね。実は先日、家庭のパートナーではなく、仕事のパートナーである副社長に、あえて怒ってみたんですよ。少し強い言葉を投げて、本音を聞きたいなと思ったんです。そうしたら、その場で本音をぶつけてくることはなく、夜に一人でお酒を飲みながら連絡をくれました。誠実な人柄と熱い思いが伝わってきてうれしかったですね。

 

翌朝連絡をしてくれたことや、色々と話せたことに感謝したんですが、より同じ方向を見て近い位置で話せるようになったと思います。本音を引き出すことはもちろん、相手の怒りのポイントや、感情の出し方などを知るためには、時には感情的にぶつかることも必要かもしれませんね。



自分を愛しむ女性こそが、多様な幸せを手に入れる時代


―読者へのアドバイスをお願いします。


森田:時代が変われば価値観も変わります。そして現在は多様性の時代ですから、女性の人生も幸せも多様だと思います。結婚や子どもを持つこと、働き方だってさまざまな選択肢があります。それでも女性の体は変わりません。

 

思春期から月経や排卵があり、妊娠や出産を経たり経なかったりして、更年期に至り、閉経します。このジェットコースターのような体を乗りこなしていくには、体を守るすべを知って、ケアをし続けることが大切です。極端なダイエットや冷えが影響を及ぼすのは、数年〜10数年後。今は良くても、大切な時期に体を壊してしまっては意味がないでしょう。大切な体を知って守ってください。

 

体を大切にすると心も守られ、強くなります。夢を抱き、自分の人生を選び取る勇気が湧いてくるはずです。そこから夢を叶えようと奮闘していく中では、周囲の協力が必要になります。仕事も子育ても介護も、女性が一人で担うものではありません。自分の軸を持って、志を持って、周りと助け合っていくー。いつもサポートするだけでなく、あなただってサポートされるべき人なのだということを忘れずにいてほしいですね。

 

実は更年期を経た60代が、一番良い恋ができるとも言われているんですよ。しなやかに生きていけば、閉経後こそ性的な充実を得られると思ったら、明るい気分になりませんか。もちろんパートナーがいてもいなくても、変わっても良いのですが、もしパートナーがいるなら、心と体の繋がりを大切にすることは、すごく意味のあることなんです。女性の人生は仕事をするだけ、子どもを産み育てるためだけにあるのではないと思います。もっと豊かで明るいライフスタイルを選び取れる時代を、くみちゃんやたくさんの女性と一緒に作っていきたいですね。

 



Profile

森田敦子(もりた・あつこ)

1965年、愛知県豊橋市出身。大学を卒業後、航空会社の客室乗務員として勤務し、気管支疾患を発症。植物療法に興味をもち、退職後パリ13大医薬学部で学ぶ。帰国後はトータルライフケアブランド「Waphyto(ワフィト)」やデリケートゾーンケアブランド「アンティームオーガニック」、ルボア フィトテラピースクールなどを創設。植物療法士。

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